簿記を勉強していると、
「仕訳帳は分かったけど、総勘定元帳って何?」
と思うことがあります。
名前からして少し難しそうですよね。
でも、総勘定元帳の役割は、実はそれほど難しくありません。
一言でいうと、
総勘定元帳とは、仕訳を勘定科目ごとに整理して記録する帳簿です。
例えば、
「現金はいくら増えて、いくら減った?」
「売掛金はいくら残っている?」
「売上はいくら発生した?」
といったことを確認したいときに役立ちます。
この記事では、総勘定元帳とは何なのか、仕訳帳とは何が違うのかを、初心者にもわかりやすく解説します。
総勘定元帳とは?
総勘定元帳(そうかんじょうもとちょう)とは、
仕訳帳に記録された取引を、勘定科目ごとに整理して記録する帳簿
です。
例えば、次のような取引があったとします。
4月1日
商品を現金10万円で仕入れた
仕入 100,000円 / 現金 100,000円
4月3日
商品を20万円で販売した
売掛金 200,000円 / 売上 200,000円
4月5日
家賃5万円を現金で支払った
地代家賃 50,000円 / 現金 50,000円
これらの仕訳を、取引が発生した順番に並べて記録するのが、
仕訳帳
でした。
一方、総勘定元帳では、
現金
仕入
売掛金
売上
地代家賃
など、勘定科目ごとに整理します。
総勘定元帳は「科目別の記録」
総勘定元帳をイメージするときは、
「勘定科目ごとの記録ノート」
と考えると分かりやすいでしょう。
例えば「現金」に関係する取引だけを集めてみます。
4月1日
商品を仕入れて10万円支払った
↓
現金が10万円減った
4月5日
家賃5万円を支払った
↓
現金が5万円減った
このように、
「現金」に関係する取引だけをまとめて確認できる
のが総勘定元帳です。
仕訳帳と総勘定元帳の違い
ここが一番重要です。
仕訳帳と総勘定元帳は、どちらも取引を記録する帳簿ですが、
記録の仕方が違います。
仕訳帳
取引が発生した順番に記録する
↓
「いつ、何が起きた?」
を見る
総勘定元帳
勘定科目ごとに記録する
↓
「この勘定科目は、どう増減した?」
を見る
つまり、
仕訳帳=時間順
総勘定元帳=勘定科目別
と覚えると分かりやすいです。
例えば「現金」だけを見てみよう
次のような取引があったとします。
4月1日
商品を現金10万円で仕入れた
仕入 10万円 / 現金 10万円
4月3日
現金5万円で商品を販売した
現金 5万円 / 売上 5万円
4月5日
家賃5万円を現金で支払った
地代家賃 5万円 / 現金 5万円
仕訳帳では、
4月1日 → 4月3日 → 4月5日
という順番で記録されています。
一方、総勘定元帳では、
「現金」という勘定科目に関係する取引
をまとめて確認できます。
そのため、
「現金はどれくらい増えた?」
「現金はどれくらい減った?」
「現金の残高はいくら?」
といったことが分かりやすくなります。
総勘定元帳はなぜ必要なの?
では、
「仕訳帳があれば、それでいいのでは?」
と思うかもしれません。
確かに、仕訳帳を見るだけでも取引の内容は確認できます。
でも、取引が増えてくると大変です。
例えば、1年間に1,000件の取引があったとします。
「現金に関係する取引だけを確認したい」
と思ったとき、仕訳帳を最初から最後まで確認するのは大変ですよね。
そこで、
現金に関係する取引だけ
をまとめて見ることができる総勘定元帳が役立ちます。
つまり、
総勘定元帳は、たくさんの仕訳を勘定科目ごとに整理して、確認しやすくするための帳簿
なのです。
仕訳帳から総勘定元帳へ
仕訳帳に記録した仕訳は、そのまま終わりではありません。
仕訳の内容を、それぞれの勘定科目に分けて記録していきます。
この作業を、
転記
といいます。
例えば、
仕入 100,000円 / 現金 100,000円
という仕訳があったとします。
この仕訳には、
- 仕入
- 現金
という2つの勘定科目があります。
そこで、
仕入の総勘定元帳
と
現金の総勘定元帳
に、それぞれ記録します。
イメージすると、
仕訳帳
「仕入10万円/現金10万円」
↓
仕入のページ
10万円を記録
↓
現金のページ
10万円を記録
という流れです。
T字勘定との関係
総勘定元帳を理解するときに、一緒に出てくるのが、
T字勘定
です。
例えば、「現金」という勘定科目をT字で表すと、

のような形になります。
T字勘定では、
左側=借方
右側=貸方
です。
そして、取引を記録していくことで、
現金がどれくらい増えたのか
現金がどれくらい減ったのか
を整理できます。
つまり、
仕訳
↓
勘定科目ごとに整理
↓
総勘定元帳
という関係になっています。
総勘定元帳を見ると何が分かる?
総勘定元帳を見ると、その勘定科目について、
どんな取引があったのか
いくら増えたのか
いくら減ったのか
残高はいくらなのか
などを確認できます。
例えば「売掛金」の総勘定元帳を見れば、
売掛金が発生した取引や、売掛金が回収された取引などを確認できます。
「売上」の総勘定元帳を見れば、
売上がいくら発生したのかを確認できます。
このように、
「この勘定科目について詳しく知りたい」
というときに役立つのが総勘定元帳です。
総勘定元帳から試算表へ
総勘定元帳に整理された金額は、
試算表
を作るときにも使われます。
簿記の大まかな流れを見てみましょう。
取引が発生
↓
仕訳をする
↓
仕訳帳に記録する
↓
総勘定元帳に整理する
↓
試算表を作る
↓
財務諸表を作る
この流れを見ると、総勘定元帳がどこに位置するのかが分かります。
総勘定元帳は、
仕訳と試算表をつなぐ役割
を持っているのです。
総勘定元帳は「会計の整理箱」
総勘定元帳をイメージしやすくするために、
整理箱
に例えてみましょう。
仕訳帳には、会社で起きた取引が順番に入っています。
そこから、
現金に関するもの
売掛金に関するもの
売上に関するもの
仕入に関するもの
などに分けて整理します。
その整理されたものが、
総勘定元帳
です。
つまり、
仕訳帳=取引を順番に記録する
総勘定元帳=それを勘定科目ごとに整理する
というイメージです。
仕訳帳と総勘定元帳を比較してみよう
ここまでの内容を表にすると、次のようになります。
| 仕訳帳 | 総勘定元帳 | |
|---|---|---|
| 役割 | 取引を記録する | 取引を勘定科目ごとに整理する |
| 並び方 | 日付・取引順 | 勘定科目ごと |
| 分かること | いつ何が起きたか | 各勘定科目の増減や残高 |
| イメージ | 時系列の記録 | 科目別の整理 |
覚え方は、
仕訳帳=時間順
総勘定元帳=科目別
です。
「元帳」という名前がついているのはなぜ?
「総勘定元帳」という名前も、少し難しく感じますよね。
簡単に考えると、
「勘定科目ごとの記録をまとめた中心的な帳簿」
というイメージです。
「現金」「売掛金」「売上」「仕入」など、さまざまな勘定科目について記録するため、
総勘定元帳
と呼ばれています。
まずは名前を細かく覚えるより、
「勘定科目ごとに整理する帳簿」
と理解しておけば十分です。
総勘定元帳を一言でいうと?
総勘定元帳をできるだけ簡単に表現すると、
総勘定元帳=仕訳を勘定科目ごとに整理して見るための帳簿
です。
そして、
仕訳帳=「いつ、何が起きた?」
総勘定元帳=「この勘定科目はどうなった?」
と覚えると分かりやすいでしょう。
まとめ
総勘定元帳とは、
仕訳帳に記録された取引を、勘定科目ごとに整理して記録する帳簿
です。
ポイントをまとめると、
- 仕訳を勘定科目ごとに整理する
- 現金、売掛金、売上など、科目ごとの動きを確認できる
- 仕訳帳から総勘定元帳へ「転記」する
- 総勘定元帳の金額は、試算表を作るときにも使われる
- 仕訳帳は「時間順」、総勘定元帳は「勘定科目別」
という特徴があります。
簿記の流れで見ると、
取引
↓
仕訳
↓
仕訳帳
↓
総勘定元帳
↓
試算表
↓
財務諸表
となります。
仕訳帳が、
「会社でいつ、何が起きたのか」を記録する帳簿
だとすれば、総勘定元帳は、
「それぞれの勘定科目がどうなったのか」を整理する帳簿
です。
この2つの違いが分かると、簿記の帳簿の流れがかなり見えやすくなります。
仕訳帳と総勘定元帳は、どちらか一方だけを覚えるのではなく、「時間順」と「科目別」というセットで覚えるのがおすすめです。


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