仕事では、「指示されたことをきちんとやる」ことが大切です。
でも、職場には、
「この人がいてくれて助かった」
と思われる人がいます。
特別な能力がある人とは限りません。
むしろ、普段はそれほど目立たないのに、忙しいときや大変なときに、自然と仕事を前に進めてくれる人だったりします。
では、こういう人は何が違うのでしょうか。
「期待を超える」とは、仕事を増やすことではない
「上司の期待を超えよう」と聞くと、
- 言われた仕事以外もどんどんやる
- 人より多く仕事をする
- すごい成果を出す
というイメージがあるかもしれません。
でも、必ずしもそうではありません。
例えば上司から、
「この資料を明日の会議までに作っておいて」
と言われたとします。
言われたとおり資料を作って提出する。
これはもちろん、きちんとした仕事です。
でも、もう一歩考えて、
- 数字に間違いがないか確認する
- 前月との比較を入れる
- 上司が会議で質問されそうなポイントを整理する
- 補足資料を準備しておく
- 問題がありそうな数字について、あらかじめ説明を用意しておく
ここまでできると、上司からすると、
「助かるな」
となります。
つまり、指示された仕事の先にある「目的」まで考えているのです。
「指示してください」が続くと、上司の仕事が増える
逆に、能力がある人でも、
「次は何をすればいいですか?」
「これはどうしましょう?」
「確認してください」
と、何かあるたびに上司に確認してくると、上司は少しずつ疲れてしまいます。
もちろん、分からないことを確認するのは悪いことではありません。
問題なのは、自分で考えられるところまで、すべて上司に判断してもらおうとすることです。
例えば、
「この請求書、どう処理しますか?」
だけではなく、
「この請求書ですが、前回と同じ取引なので○○で処理しようと思います。ただ、今回は金額が大きいので、この点だけ確認いただけますか?」
と言われたらどうでしょう。
後者のほうが、ずっと助かります。
なぜなら、自分で考えたうえで、上司に判断してほしい部分だけを持ってきているからです。
「助かる人」は、仕事を止めない
仕事をしていると、すべてが順調に進むわけではありません。
分からないこともあります。
他部署から返事が来ないこともあります。
資料が足りないこともあります。
そんなとき、
「資料が来ないので、できませんでした」
で止まってしまう人もいます。
一方で、
「○○さんからまだ資料が来ていません。
ただ、先にできる部分は進めておきました。
資料が届けば、残りはここだけです」
という人もいます。
この違いは大きいです。
問題があっても、自分のところで仕事を止めない。
できるところまで進めておく。
必要なら、早めに相談する。
こういう人がいると、上司は安心できます。
苦しいときほど、「助かる人」が分かる
普段は、誰がどれだけ頼りになるのか分かりにくいことがあります。
でも、
- 月次決算で忙しいとき
- 年次決算の時期
- 人が突然休んだとき
- トラブルが発生したとき
- 急な仕事が入ったとき
- 期限が迫っているとき
こういう状況になると、違いが見えてきます。
上司が一人ひとりに、
「これをやってください」
「次はこれをお願いします」
「これは終わりましたか?」
と指示し続けなければならないチームは、かなり大変です。
一方で、
「あれは進めておきました」
「ここまでは終わっています」
「ここで問題が出たので、こう対応しておきました」
「この部分だけ判断をお願いします」
と言ってくれるスタッフがいると、本当に助かります。
苦しいときに、上司の負担を減らしてくれる人。
こういう人の評価が上がるのは、自然なことだと思います。
「この人に任せておけば大丈夫」は強い
仕事を任せる側にとって、とてもありがたいのが、
「この人に任せておけば大丈夫」
と思えることです。
これは、単純に仕事が速いという意味ではありません。
例えば、
仕事を任せる
↓
自分で考えて進める
↓
問題があれば早めに相談する
↓
最後まで終わらせる
という流れができる人です。
こういう人がいると、上司は細かい進捗確認をしなくてもよくなります。
そして、その分、上司自身も別の重要な仕事に時間を使うことができます。
「報告」も期待を超える仕事の一つ
もう一つ大切なのが、報告です。
例えば、
「終わりました」
だけでも間違いではありません。
でも、
「終わりました。数字を確認したところ、前月より30%増えていました。原因は○○です。念のため△△も確認してあります。」
まで報告してくれたらどうでしょう。
上司は、
「ちゃんと考えてくれているな」
と感じます。
仕事の結果だけではなく、
- 何を確認したのか
- 何が分かったのか
- 問題はないのか
まで伝えてくれるからです。
ただし、「勝手に仕事を増やす」のとは違う
ここは注意したいところです。
「期待を超えよう」と思って、何でも勝手にやればいいわけではありません。
例えば、上司が、
「今日は簡単な資料でいいから、15時までにお願い」
と思っているのに、本人が勝手に完璧な資料を作って翌日までかかってしまったら、それは期待を超えたとは言えません。
むしろ、相手の期待を読み違えています。
大切なのは、
相手が何を求めているのかを理解すること
です。
品質なのか。
スピードなのか。
正確性なのか。
それとも、問題点を見つけてほしいのか。
そこを理解したうえで、一歩先まで考えることが「期待を超える仕事」なのだと思います。
経理では特に「一歩先」が大切
経理の仕事では、この考え方が特に重要です。
例えば、
「請求書を処理しておいて」
と言われたとします。
単純に仕訳を入力するだけなら、指示された仕事を完了したことになります。
でも、
「仕訳を入力しました。前月より金額が大きかったので確認したところ、○○の追加分でした。念のため契約書も確認しています。」
となれば、仕事の質が一段上がります。
経理では、数字を入力することだけが仕事ではありません。
その数字が、
「なぜこの金額なのか」
「前月と比べてどうなのか」
「何か問題はないのか」
まで考えられると、単なる作業者から、会社の数字を理解している経理担当者に近づいていきます。
上司が本当に助かるのは、「自分で考えて動く人」
結局、上司が一番助かるのは、
自分で考えて、自分で動ける人
なのではないでしょうか。
もちろん、何でも一人で判断する必要はありません。
分からないことは聞けばいい。
重要なことは相談すればいい。
でも、
「分からないので止まる」
のではなく、
「ここまでは自分で考えて進めました。
ここだけ判断してください」
という状態まで持っていく。
これだけでも、上司の負担は大きく変わります。
「期待を超える」は、実は小さなこと
上司の期待を超える仕事というと、大きな成果をイメージしがちです。
でも、実際にはもっと小さなことかもしれません。
- 言われる前に確認しておく
- 問題が起きたら早めに知らせる
- 次に必要になる資料を準備しておく
- 「どうしましょう?」だけでなく、自分の考えを持って相談する
- 任された仕事を最後まで進める
こうした小さな積み重ねが、
「この人がいてくれて助かった」
につながっていきます。
そして、仕事では意外と、
「すごい仕事をしてくれた」
よりも、
「大変なときに、この人がいてくれて助かった」
という印象のほうが、強く残ることがあります。
苦しいときに自然と仕事を前に進めてくれる人。
そんな人は、きっと上司から見ても、チームにとっても、なくてはならない存在になっていくのだと思います。
まとめ
「上司の期待を超える仕事」とは、必ずしも人より多く仕事をすることではありません。
大切なのは、相手の目的を理解して、一歩先まで考えることです。
特に覚えておきたいのは、
- 指示された仕事だけで終わらせない
- 自分で考えられるところまで考える
- 問題があっても、できるところまで仕事を進める
- 問題は早めに相談する
- 報告するときは、結果だけでなく確認したことも伝える
- 上司が次に必要とするものを考えておく
- 何でも勝手にやるのではなく、相手の期待を理解する
「期待を超える」とは、仕事を増やすことではない。
相手の目的を理解して、
一歩先まで仕事を進めること。
そして、その積み重ねが、やがて「この人に任せておけば大丈夫」という信頼につながっていくのです。

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