会計では、資産や負債を「時価」で評価することがあります。
時価とは、簡単にいうと、
「今、この資産はいくらくらいの価値があるのか?」
という視点から金額を考える方法です。
ただし、会計ではすべての資産を時価で評価するわけではありません。
ここが「時価」を理解するうえで大切なポイントです。
例えば、100万円で買った株式が150万円になったら?
例えば、会社が株式を100万円で購入したとします。
その後、決算日になったところ、その株式の市場価格が150万円になっていました。
購入したとき
100万円
↓
決算時の市場価格
150万円
このとき、財務諸表を見る人にとって、
「現在、この株式にはどれくらいの価値があるのか?」
という情報は重要です。
そのため、金融商品では時価による評価が重要な役割を持っています。日本の金融商品会計でも、金融資産について時価評価を基本としつつ、保有目的などに応じて異なる評価方法が定められています。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
時価=「今、売ったらいくら?」
会計でいう時価は、単純に「自分ならいくらだと思うか」という金額ではありません。
現在の日本の会計基準では、時価は、算定日に市場参加者の間で秩序ある取引が行われると仮定した場合の、資産を売却して受け取る価格、または負債を移転するために支払う価格とされています。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
つまり、イメージとしては、
「今、この資産を市場で売るとしたら、いくらになるか?」
という現在の価値を見る考え方です。
では、なぜ全部を時価にしないの?
ここが重要です。
「現在の価値を知りたいなら、会社の資産を全部時価にすればいい」と思うかもしれません。
しかし、会計ではそう単純ではありません。
例えば、会社が事業で使用するために1,000万円で機械を購入したとします。
1,000万円で機械を購入
↓
工場で使用して商品を作る
↓
何年にもわたって収益に貢献する
この場合、その機械は売るために持っているのではなく、事業で使うために持っているものです。
そのため、「今売ったらいくらになるか」だけを見るよりも、取得した金額をもとに使用期間にわたって費用配分するという考え方が重要になります。
これが、減価償却につながります。
「時価」と「取得原価」の違い
ここで、2つを整理してみましょう。
| 時価 | 取得原価 | |
|---|---|---|
| 見るポイント | 現在の価値 | 取得したときの金額 |
| イメージ | 「今いくら?」 | 「いくらで買った?」 |
| 向いている場面 | 現在の価値が重要なもの | 取得した事実や使用実態が重要なもの |
どちらが「正しい」というより、その資産や負債について、どの情報が財務諸表を見る人にとって有用なのかを考えることが重要です。
時価を使うかどうかは「何を持っているか」も関係する
例えば金融商品では、現在の価格が重要な意味を持つ場合があります。
一方、事業で使用する機械や建物などでは、取得した金額をもとに、その資産を使用する期間にわたって費用配分するという考え方があります。
金融商品など
現在の価格が重要
↓
時価が重要になる
事業用の固定資産など
事業で使用して収益を生み出す
↓
取得原価をもとに費用配分する
もちろん、実際の会計基準ではさらに細かいルールがあり、金融商品であってもすべてが同じ方法で評価されるわけではありません。保有目的などによって評価方法が異なります。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
「時価のほうが正しい」とは限らない
ここは、時価を理解するときにとても大切なところです。
例えば、1,000万円で購入した機械の現在の売却価格が700万円だったとします。
だからといって、必ず「700万円で評価するほうが正しい」とは限りません。
その機械を売る予定がなく、これからも事業で使用して収益を生み出すのであれば、その資産をどのように利用しているのかという情報も重要だからです。
時価が正しい、取得原価が間違っている
という単純な話ではありません。
「その資産を、どのように測定することが
財務情報として有用なのか」が大切です。
なぜ時価が財務報告で重要なの?
財務諸表を見る人は、会社の現在の財政状態を知りたいと考えます。
特に金融商品などでは、現在の市場環境によって価値が大きく変動することがあります。
そのため、現在の価値を示すことが、投資家などにとって重要な情報になる場合があります。
一方で、時価を使うことによって、市場価格の変動が財務諸表に反映されることにもなります。
つまり、時価は「現在の価値を伝える」というメリットがある一方で、価格変動の影響も財務情報に表れることになります。
時価を一言でいうと
「今、この資産や負債はいくらの価値があるのか?」
という視点から金額を測定する考え方です。
まとめ
時価とは、簡単にいえば現在の価値を見るための考え方です。
ただし、会計ではすべての資産や負債を時価で評価するわけではありません。
ポイントは、
- 時価は「現在の価値」を見る
- 会計でいう時価は、単なる「自分ならこのくらい」といった主観的な金額ではない
- 金融商品などでは時価が重要になる
- 事業用の固定資産などでは、取得原価をもとにした会計が重要になる場合がある
- 「時価のほうが正しい」という単純な話ではない
- その資産や負債について、どの測定方法が財務情報として有用なのかが重要
会計で大切なのは、
「いくらが正しい?」だけではなく、
「何を伝えるための金額なのか?」と考えることです。
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とは?「市場参加者から見た価値」を考える会計-120x68.png)
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