当座預金と小切手とは?|簿記初心者が仕組みから理解する

簿記入門

簿記を勉強していると、「当座預金」や「小切手」という言葉が出てきます。

特に初心者のうちは、

  • 当座預金って、普通預金と何が違うの?
  • 小切手って、お金なの?
  • 小切手を振り出すと、なぜ当座預金が減るの?
  • 小切手を受け取ったら、なぜ「現金」になるの?

と、少し分かりにくく感じるかもしれません。

でも、仕組みを理解してしまえば、それほど難しくありません。

この記事では、当座預金と小切手の関係を、仕訳だけでなく「お金がどう動いているのか」という視点からやさしく解説します。

当座預金とは?

当座預金とは、会社などが支払いに利用するための預金口座です。

銀行にお金を預けているという点では普通預金と同じですが、当座預金は企業間の決済など、事業上の支払いに利用されることが多い預金です。

そして、当座預金の大きな特徴のひとつが、小切手を利用した決済ができることです。

つまり、当座預金と小切手は別々のものではなく、次のような関係にあります。

当座預金 → 小切手を使った支払いに利用される

小切手とは、どんなもの?

小切手は、簡単にいうと、銀行に対して「この金額を相手に支払ってください」と依頼するための証券です。

たとえば、A社がB社に100万円を支払うとします。

A社が現金100万円を直接渡す代わりに、小切手を振り出してB社に渡すことができます。

その小切手をB社が銀行に持っていくことで、支払いを受けることができます。

小切手を使った支払いのイメージ

A社(支払う側)
↓
小切手を渡す
↓
B社(受け取る側)
↓
銀行で換金・預金

ここで大切なのは、小切手そのものが「現金」そのものというわけではないということです。

小切手を受け取った側は、その小切手を銀行に持ち込むことで支払いを受けることができます。

小切手を振り出すと、何が起きる?

では、A社がB社に100万円を小切手で支払ったとします。

このとき、A社では何が起きているのでしょうか。

A社は小切手を振り出すことで、当座預金から100万円を支払うことになります。

つまり、A社から見ると、

  • 支払ったので、当座預金が減る
  • その支払いの原因となった費用や仕入などを認識する

ということになります。

たとえば、商品100万円を小切手で仕入れた場合は、次の仕訳になります。

借方金額貸方金額
仕入1,000,000円当座預金1,000,000円

ポイントは、小切手を振り出すことで、当座預金が減るということです。

なぜ「当座預金」が減るの?

ここは、仕訳を暗記するよりも、実際のお金の流れを考えると分かりやすくなります。

A社が小切手を振り出した時点では、A社の当座預金を使って支払うことになります。

そのため、A社の財産を見ると、

当座預金 ↓

となります。

つまり、簿記では「小切手を振り出した」という事実だけを見るのではなく、その結果、会社の資産である当座預金がどう変化したのかを見ています。

小切手を受け取ったら、どうなる?

ここが、小切手で一番混乱しやすいところです。

今度は、B社がA社から100万円の小切手を受け取ったとします。

B社から見ると、小切手を受け取ったことで、銀行に持っていけば支払いを受けられる状態になりました。

簿記では、このように他人振出小切手を受け取った場合、「現金」として扱います。

たとえば、B社が売掛金100万円の回収として小切手を受け取った場合は、次の仕訳になります。

借方金額貸方金額
現金1,000,000円売掛金1,000,000円

「小切手を受け取ったのに、なぜ現金なの?」と思うかもしれません。

これは、簿記でいう「現金」には、紙幣や硬貨だけでなく、すぐに銀行で支払いを受けられるものも含まれるためです。

「小切手=現金」ではない

ここは少し注意が必要です。

簿記の仕訳では、他人振出小切手を受け取った場合に「現金」として処理します。

しかし、これは「小切手そのものが紙幣や硬貨と同じもの」という意味ではありません。

小切手には、

小切手を受け取る
↓
銀行に持っていく
↓
支払いを受ける

という流れがあります。

そのため、簿記では小切手を受け取った段階で「現金」として処理するわけです。

小切手を銀行に持っていったら?

では、B社が受け取った小切手を銀行に持っていき、B社の普通預金に入金したとします。

この場合、B社では「現金」が「普通預金」に変わります。

借方金額貸方金額
普通預金1,000,000円現金1,000,000円

ここでは利益や費用は発生していません。

単純に、資産の中身が「小切手を含む現金」から「普通預金」に変わっただけです。

当座預金と普通預金は何が違う?

当座預金と普通預金は、どちらも銀行に預けているお金ですが、使われ方に違いがあります。

普通預金当座預金
主な用途日常的な預金企業などの決済
小切手基本的に利用しない利用できる
利息付く付かない

簿記3級では、まず「当座預金は小切手などを使った企業の決済に利用される」と理解しておけば十分です。

小切手に関する仕訳を整理してみよう

ここまでの内容を、仕訳で整理してみます。

小切手を振り出して商品を仕入れた

仕入100万円当座預金100万円

→ 小切手を振り出した側では、当座預金が減ります。

小切手を受け取って売掛金を回収した

現金100万円売掛金100万円

→ 小切手を受け取った側では、「現金」として処理します。

受け取った小切手を銀行に預け入れた

普通預金100万円現金100万円

→ 現金が普通預金に変わっただけなので、利益には影響しません。

大切なのは「小切手」という言葉ではなく、お金の流れ

簿記では、「小切手ならこの仕訳」と丸暗記してしまいがちです。

でも、本当に大切なのは、

「誰が、誰に、何を使って支払ったのか?」

を考えることです。

たとえば、

  • 小切手を振り出した側 → 当座預金が減る
  • 小切手を受け取った側 → 現金として処理する
  • その小切手を銀行に預け入れる → 普通預金などに変わる

というように、立場が変わると、見えるものも変わります。

これは簿記を理解するうえで、とても大切な考え方です。

簿記入門で押さえておきたいポイント

  • 当座預金は、企業などの決済に利用される預金。
  • 小切手は、銀行に支払いを依頼するための証券。
  • 小切手を振り出した側では、当座預金が減る。
  • 他人振出小切手を受け取った側では、簿記上「現金」として処理する。
  • 受け取った小切手を預金すると、現金から普通預金などに変わる。
  • 大切なのは、小切手という言葉を覚えることではなく、お金がどう動いたのかを考えること。

まとめ|小切手は「お金の流れ」で考える

当座預金と小切手は、簿記3級の勉強で少し分かりにくく感じるところです。

でも、仕組みを整理すると、それほど複雑ではありません。

当座預金は、企業などが決済に利用する預金です。

そして小切手は、その当座預金を使って支払いを行うための仕組みのひとつです。

小切手を振り出した側では当座預金が減り、受け取った側では他人振出小切手を「現金」として処理します。

つまり、簿記で大切なのは、

取引を見る
↓
何が変わったのかを考える
↓
仕訳にする

という考え方です。

小切手についても、仕訳を丸暗記するのではなく、「この取引で、会社の何が変わったのか?」と考えてみると、簿記がぐっと分かりやすくなります。

会計は、覚えるものではなく、考えるもの。

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