「減価償却累計額」という勘定科目。
簿記の問題で、
「減価償却累計額って、何のお金なの?」
と疑問に思ったことはありませんか?
名前も少し難しいですよね。
でも、「累計」という言葉に注目すると、意外と簡単です。
減価償却累計額とは、
これまでに計上した減価償却費を、合計して積み上げた金額
のことです。
例えば、100万円の機械を購入し、毎年20万円ずつ減価償却するとします。
1年目は20万円。
2年目には40万円。
3年目には60万円。
このように、これまでの減価償却費が積み上がっていきます。
この積み上がった金額が、
減価償却累計額
です。
この記事では、減価償却累計額について、初心者にもわかりやすく解説します。
まず結論!減価償却累計額とは?
減価償却累計額とは、
これまでに計上した減価償却費の合計額
です。
例えば、毎年20万円の減価償却をすると、
| 年 | 減価償却費 | 減価償却累計額 |
|---|---|---|
| 1年目 | 20万円 | 20万円 |
| 2年目 | 20万円 | 40万円 |
| 3年目 | 20万円 | 60万円 |
| 4年目 | 20万円 | 80万円 |
| 5年目 | 20万円 | 100万円 |
となります。
ポイントは、
減価償却費=その年の金額
減価償却累計額=今までの合計
ということです。
「累計」ってどういう意味?
「累計」という言葉を考えてみましょう。
例えば、毎月1万円貯金するとします。
1か月目は、
1万円
です。
2か月目には、
1万円+1万円=2万円
になります。
3か月目には、
1万円+1万円+1万円=3万円
です。
このように、
今までの金額を積み上げた合計
が「累計」です。
減価償却累計額も、これと同じ考え方です。
減価償却費との違い
減価償却累計額を理解するには、
減価償却費
との違いを知っておくと分かりやすいでしょう。
減価償却費
その年に費用にした金額
です。
減価償却累計額
これまでに費用にした金額の合計
です。
例えば、毎年20万円ずつ減価償却する場合、
1年目
減価償却費=20万円
減価償却累計額=20万円
2年目
減価償却費=20万円
減価償却累計額=40万円
3年目
減価償却費=20万円
減価償却累計額=60万円
となります。
つまり、
その年の減価償却費が、毎年少しずつ減価償却累計額に積み上がっていく
という関係です。
なぜ「累計額」が必要なの?
ここが重要なポイントです。
例えば、会社が100万円の機械を購入したとします。
その機械を5年間使うとして、毎年20万円ずつ減価償却するとしましょう。
3年経過した時点では、
20万円 × 3年 = 60万円
の減価償却をしています。
つまり、
これまでに60万円分を費用にした
ということです。
この「これまでにいくら減価償却したのか」を記録しておくために、
減価償却累計額
という勘定科目を使います。
減価償却累計額は「資産」なの?
ここは、簿記で特に混乱しやすいところです。
減価償却累計額は、
資産ではありません。
では、負債なのでしょうか?
これも違います。
減価償却累計額は、
固定資産の価額を減らすための「資産のマイナス項目」
です。
例えば、
機械 100万円
があったとします。
そこから、
減価償却累計額 ▲60万円
を差し引くと、
帳簿価額 40万円
となります。
イメージすると、
機械 100万円
↓
減価償却累計額 ▲60万円
↓
帳簿価額 40万円
です。
減価償却累計額は「これまでに減った分」
減価償却累計額をイメージするときは、
「固定資産について、これまでに費用にした分」
と考えると分かりやすいでしょう。
100万円の機械を購入した場合、
最初は、
機械 100万円
です。
1年目に20万円を減価償却すると、
減価償却累計額 20万円
になります。
2年目にはさらに20万円増えて、
減価償却累計額 40万円
になります。
3年目には、
減価償却累計額 60万円
です。
このように、
減価償却するたびに累計額が積み上がっていきます。
貸借対照表ではどう表示される?
では、貸借対照表ではどうなるのでしょうか?
例えば、100万円の機械を購入し、3年間で60万円を減価償却したとします。
すると、
機械 1,000,000円
減価償却累計額 △600,000円
という形で表示されます。
その結果、
1,000,000円 − 600,000円 = 400,000円
となります。
この40万円が、
機械の帳簿価額
です。
「減価償却累計額=機械の価値が下がった金額」ではない
ここは少し注意が必要です。
減価償却累計額を、
「機械の市場価値が下がった金額」
と考えてしまうことがあります。
しかし、正確にはそうではありません。
減価償却累計額は、
これまでに会計上、減価償却費として計上した金額の合計
です。
例えば、
購入した機械が市場ではまだ50万円の価値があるとしても、
会計上の減価償却累計額が60万円になることはあり得ます。
つまり、
市場価格の変化を直接表しているわけではありません。
あくまで、
取得価額を使用期間にわたって費用に配分した結果
として積み上がる金額です。
減価償却累計額と帳簿価額の関係
ここはセットで覚えておくと便利です。
基本的な関係は、
取得価額 − 減価償却累計額 = 帳簿価額
です。
例えば、
取得価額:100万円
減価償却累計額:60万円
なら、
100万円 − 60万円 = 40万円
となります。
つまり、
帳簿価額は40万円
です。
仕訳ではどう使う?
減価償却累計額は、減価償却の仕訳で登場します。
例えば、1年間の減価償却費が20万円だったとします。
この場合、
借方:減価償却費 200,000円
貸方:減価償却累計額 200,000円
と仕訳します。
ここで、
減価償却費
は、その年の費用です。
一方、
減価償却累計額
は、これまでの減価償却額を積み上げていくためのものです。
なぜ貸方に「減価償却累計額」が来るの?
「減価償却累計額は資産のマイナスなのに、なぜ貸方なの?」
と疑問に思うかもしれません。
これは、
資産を減らす方向=貸方
と考えると分かりやすいです。
例えば、現金という資産が減ったときは、
貸方:現金
になります。
それと同じように、
固定資産の価額を減らす働きをする減価償却累計額は、
貸方
に記録されます。
ただし、減価償却累計額そのものを「負債」と考えないように注意しましょう。
減価償却累計額は毎年増えていく
例えば、毎年20万円ずつ減価償却するとします。
1年目
減価償却累計額
20万円
↓
2年目
20万円+20万円
= 40万円
↓
3年目
40万円+20万円
= 60万円
↓
4年目
60万円+20万円
= 80万円
↓
5年目
80万円+20万円
= 100万円
となります。
つまり、
減価償却費を計上するたびに、減価償却累計額が増えていく
ということです。
減価償却累計額が増えると、固定資産はどうなる?
100万円の機械の場合、
購入直後
取得価額:100万円
減価償却累計額:0円
帳簿価額:100万円
1年後
取得価額:100万円
減価償却累計額:20万円
帳簿価額:80万円
2年後
取得価額:100万円
減価償却累計額:40万円
帳簿価額:60万円
3年後
取得価額:100万円
減価償却累計額:60万円
帳簿価額:40万円
というように、
減価償却累計額が増えるほど、帳簿価額は小さくなっていきます。
減価償却累計額は「資産を直接減らしている」の?
ここも簿記では重要です。
例えば、
機械 100万円
を購入したとします。
減価償却するときに、
「機械100万円を80万円に書き換える」
という処理をする方法も考えられます。
しかし、一般的な仕訳では、
機械 100万円
という取得価額をそのまま残し、
別に、
減価償却累計額
を記録します。
つまり、
取得したときの金額
と、
これまでに減価償却した金額
を別々に管理するわけです。
そのため、
「この機械はいくらで購入したのか?」
「これまでにいくら減価償却したのか?」
が分かりやすくなります。
「減価償却費」と「減価償却累計額」をセットで覚えよう
この2つは、セットで考えると理解しやすくなります。
減価償却費
今年の減価償却
↓
費用になる
減価償却累計額
今までの減価償却の合計
↓
固定資産のマイナスとして積み上がる
例えば、
今年20万円の減価償却をしたら、
減価償却費:20万円
となります。
そして、その20万円が、
減価償却累計額に追加される
という関係です。
覚え方は「費」と「累計」
難しい名前ですが、覚え方はシンプルです。
減価償却「費」
「費」がついている
↓
費用
↓
その年の分
減価償却「累計額」
「累計」がついている
↓
今までの合計
↓
積み上がっていく
と考えてみましょう。
こんなイメージで覚えよう
減価償却累計額は、
「今までに、この固定資産を何円分費用にした?」
という質問への答えです。
例えば、
100万円の機械について、
1年目:20万円
2年目:20万円
3年目:20万円
なら、
「今までに60万円分、費用にしました」
となります。
この60万円が、
減価償却累計額
です。
まとめ
減価償却累計額について整理してみましょう。
- 減価償却累計額とは、これまでに計上した減価償却費の合計
- 「累計」なので、毎年少しずつ積み上がっていく
- 減価償却費はその年の費用
- 減価償却累計額は今までの減価償却の合計
- 減価償却累計額は資産そのものではなく、固定資産のマイナス項目
- 取得価額から減価償却累計額を差し引くと、帳簿価額になる
一番覚えておきたいのは、
減価償却費=今年の分
減価償却累計額=今までの合計
という関係です。
例えば、100万円の機械を毎年20万円ずつ減価償却するなら、
1年目の減価償却累計額は20万円。
2年目は40万円。
3年目は60万円。
というように、どんどん積み上がっていきます。
そして、
取得価額 − 減価償却累計額 = 帳簿価額
となります。
減価償却累計額は少し難しそうな名前ですが、
「今までに減価償却した金額の合計」
と考えれば、それほど難しくありません。
「累計」という言葉に注目すると、減価償却累計額の意味がぐっと分かりやすくなります。


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