減価償却費と減価償却累計額の違い|初心者向けにわかりやすく解説

簿記入門

「減価償却費」と「減価償却累計額」。

どちらも名前が似ているので、

「結局、何が違うの?」

と混乱しやすい勘定科目です。

でも、ポイントはとてもシンプルです。

減価償却費=その年の分
減価償却累計額=これまでの合計

この違いが分かれば、かなりスッキリします。

この記事では、具体例を使いながら、減価償却費と減価償却累計額の違いを初心者にもわかりやすく解説します。


まずは結論!減価償却費と減価償却累計額の違い

まず、2つの違いを簡単に整理してみましょう。

減価償却費減価償却累計額
意味その年に計上する減価償却これまでの減価償却の合計
金額その年の分過去からの累計
会計上の役割費用固定資産のマイナス項目
主に関係する財務諸表損益計算書貸借対照表
覚え方「今年の分」「今までの合計」

一番大切なのは、

減価償却費=その年

減価償却累計額=今まで

という違いです。


そもそも減価償却とは?

2つの違いを理解するために、まず「減価償却」そのものを確認しましょう。

例えば、会社が100万円の機械を購入したとします。

この機械を5年間使うとしましょう。

100万円を購入した年に全部費用にするのではなく、

5年間にわたって少しずつ費用にする

という考え方があります。

これが、

減価償却

です。

簡単に考えて、毎年20万円ずつ費用にすると、

100万円 ÷ 5年 = 20万円

となります。

この毎年20万円が、

減価償却費

です。


減価償却費とは?

減価償却費は、

その年に計上する減価償却の費用

です。

例えば、毎年20万円ずつ減価償却する場合、

1年目

減価償却費=20万円

2年目

減価償却費=20万円

3年目

減価償却費=20万円

となります。

つまり、

「今年はいくら減価償却した?」

という質問に対する答えが、

減価償却費

です。


減価償却累計額とは?

一方、減価償却累計額は、

これまでに計上した減価償却費の合計

です。

同じように毎年20万円ずつ減価償却すると、

1年目

20万円

↓

2年目

20万円+20万円=40万円

↓

3年目

20万円+20万円+20万円=60万円

となります。

つまり、

「今までにいくら減価償却した?」

という質問に対する答えが、

減価償却累計額

です。


具体例で比較してみよう

100万円の機械を5年間使い、毎年20万円ずつ減価償却するとします。

すると、次のようになります。

年減価償却費減価償却累計額
1年目20万円20万円
2年目20万円40万円
3年目20万円60万円
4年目20万円80万円
5年目20万円100万円

ここを見ると、違いがよく分かります。

減価償却費は毎年20万円で同じ。

一方、

減価償却累計額は20万円、40万円、60万円……と増えていきます。


覚え方は「費」と「累計」

名前が似ていて覚えにくい場合は、

「費」

と

「累計」

に注目しましょう。

減価償却「費」

「費」がついている

↓

費用

↓

その年の分


減価償却「累計額」

「累計」がついている

↓

積み上げた合計

↓

これまでの分

と考えると分かりやすいです。


財務諸表ではどう違う?

ここも重要なポイントです。

減価償却費

減価償却費は、

費用

です。

そのため、損益計算書(P/L)に関係します。

例えば、

売上高:500万円

その他の費用:300万円

減価償却費:20万円

なら、

減価償却費20万円も費用として利益の計算に含まれます。


減価償却累計額

一方、減価償却累計額は、

固定資産のマイナス項目

として貸借対照表(B/S)に関係します。

例えば、

機械:100万円

減価償却累計額:60万円

なら、

100万円 − 60万円 = 40万円

となります。

この40万円が、

帳簿価額

です。


なぜ減価償却累計額は「マイナス」なの?

ここは少し分かりにくいところです。

減価償却累計額は、

固定資産の価額を減らす働き

をします。

例えば、100万円の機械について、これまで60万円を減価償却したとします。

すると、

機械 100万円

から、

減価償却累計額 60万円

を差し引いて、

帳簿価額 40万円

となります。

つまり、

減価償却累計額=固定資産について、これまで費用にした金額

と考えると分かりやすいでしょう。


減価償却費と減価償却累計額はどうつながっている?

この2つは別々のものではありません。

減価償却費が毎年積み上がったものが、減価償却累計額

です。

例えば、

1年目に20万円

2年目に20万円

3年目に20万円

減価償却するとします。

すると、

減価償却費

1年目:20万円
2年目:20万円
3年目:20万円

となります。

そして、

減価償却累計額

1年目:20万円
2年目:40万円
3年目:60万円

となります。

イメージすると、

減価償却費

20万円
+20万円
+20万円

↓

減価償却累計額 60万円

という関係です。


仕訳ではどうなる?

例えば、1年間の減価償却費が20万円だったとします。

仕訳は、

借方:減価償却費 200,000円
貸方:減価償却累計額 200,000円

です。

ここでも、

借方の減価償却費=その年の費用

貸方の減価償却累計額=これまでの減価償却額に追加する金額

と考えると分かりやすいでしょう。


「減価償却累計額=負債」ではない

簿記初心者が間違えやすいポイントです。

減価償却累計額は貸方に記録されるので、

「じゃあ負債なの?」

と思うかもしれません。

しかし、

減価償却累計額は負債ではありません。

固定資産の価額を減らすための、

「資産のマイナス項目」

です。

そのため、

機械100万円 − 減価償却累計額60万円 = 帳簿価額40万円

という形になります。


「減価償却費」と「減価償却累計額」を一言で覚えるなら

迷ったら、次のように覚えてください。

減価償却費=今年いくら?

減価償却累計額=今までいくら?

これだけでも、かなり区別できるようになります。


もう一つ覚えておきたい「帳簿価額」

減価償却累計額と一緒に、

帳簿価額

も覚えておくと便利です。

関係は、

取得価額 − 減価償却累計額 = 帳簿価額

です。

例えば、

取得価額:100万円

減価償却累計額:60万円

なら、

100万円 − 60万円 = 40万円

です。

この40万円が帳簿価額です。

つまり、

「この固定資産は、帳簿上いくら残っている?」

を見るための金額です。


3つをまとめて整理しよう

ここまで出てきた3つを整理すると、

減価償却費

今年の減価償却分

↓

費用


減価償却累計額

今までの減価償却費の合計

↓

固定資産のマイナス項目


帳簿価額

取得価額 − 減価償却累計額

↓

帳簿上の固定資産の残高

という関係になります。


よくある間違い

「減価償却費と減価償却累計額は同じ?」

違います。

減価償却費は、

その年の金額

です。

減価償却累計額は、

これまでの合計額

です。


「減価償却累計額は費用?」

違います。

費用なのは、

減価償却費

です。

減価償却累計額は、固定資産の価額を減らすための項目です。


「減価償却累計額は負債?」

違います。

減価償却累計額は、

資産のマイナス項目

です。


まとめ

減価償却費と減価償却累計額の違いは、難しく考える必要はありません。

減価償却費=その年の分

減価償却累計額=これまでの合計

です。

例えば、100万円の機械を毎年20万円ずつ減価償却すると、

年減価償却費減価償却累計額
1年目20万円20万円
2年目20万円40万円
3年目20万円60万円
4年目20万円80万円
5年目20万円100万円

となります。

そして、

取得価額 − 減価償却累計額 = 帳簿価額

です。

一番大切なのは、

「費」はその年、「累計」は今まで

と覚えること。

これが分かれば、減価償却費と減価償却累計額を仕訳や貸借対照表で見たときにも、意味が理解しやすくなります。

減価償却は「計算方法」だけを覚えるのではなく、「今年の費用」と「これまでの累計」を分けて考えると、ぐっと分かりやすくなります。

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