経理の仕事をしていると、ふと「自分は経理として、ちゃんとできているのだろうか」と不安になることがあります。
周りには、自分より詳しい人がいる。
知らないこともまだまだある。
難しい質問をされると、すぐに答えられない。
そんな経験が続くと、「自分には経理の仕事が向いていないのでは?」と思ってしまうこともあります。
でも、経理としての自信は、知識の量だけで決まるものではありません。
毎日の仕事をコツコツ積み上げてきたこと。
分からないことから逃げずに、一つずつ向き合ってきたこと。
失敗したり、ヒヤッとした経験を乗り越えてきたこと。
そうした経験が、少しずつ自分の中に積み重なっていきます。
この記事では、「経理としての自信」とは何なのか、そして、どうすれば少しずつ自信を持てるようになるのかを考えてみます。
目次
- ① 「経理として自信がない」と感じるのは、珍しいことではない
- ② 経理の自信は「知識量」だけでは決まらない
- ③ コツコツ積み上げてきた時間は、ちゃんと力になっている
- ④ 分からないことから逃げずに向き合う
- ⑤ 失敗やヒヤッとした経験も、後から力になる
- ⑥ 「自分で考えて解決した経験」を増やす
- ⑦ 他の人と比べるより、「以前の自分」と比べてみる
- ⑧ 経理としての自信は、後からついてくる
- 経理として自信をつけるために、大切にしたいこと
- まとめ|経理としての自信は、経験の積み重ねから生まれる
① 「経理として自信がない」と感じるのは、珍しいことではない
経理の仕事をしていると、「自分はまだまだだな」と感じる場面があります。
たとえば、
- 知らない会計処理が出てきた
- 上司から質問されて、すぐに答えられなかった
- 数字が合わず、原因を見つけるのに時間がかかった
- ミスをしてしまった
- 決算で思った以上に大変な思いをした
- 税理士や監査人から指摘を受けた
こうしたことがあると、「自分には知識が足りない」「もっと勉強しなければ」と考えてしまいます。
もちろん、知識を増やすことは大切です。
ただ、経理の仕事では、知識が増えれば、それだけで自信がつくわけではありません。
実際の仕事では、教科書どおりにいかないこともあります。
だからこそ、仕事をしながら少しずつ経験を積んでいくことが大切になります。
② 経理の自信は「知識量」だけでは決まらない
経理として経験を積んでいくと、知識だけでは説明できない部分が少しずつ増えてきます。
たとえば、数字を見たときに、
「この数字、なんとなくおかしい気がする」
と感じることがあります。
そして、過去の資料を確認したり、仕訳を確認したり、担当者に聞いたりして、原因を探していく。
こうした力は、単に会計用語を覚えただけでは身につきません。
実際の仕事の中で、
「分からない → 調べる → 考える → 確認する → 解決する」
という経験を何度も繰り返すことで、少しずつ身についていきます。
つまり、経理としての自信とは、
「自分は何でも知っている」と思えることではないのかもしれません。
分からないことが出てきても、落ち着いて調べて、考えて、必要な確認をして、答えを出していける。
そう思えることが、経理としての自信につながっていきます。
③ コツコツ積み上げてきた時間は、ちゃんと力になっている
経理の仕事は、派手な仕事ばかりではありません。
請求書を確認する。
入出金を確認する。
仕訳を入力する。
残高を確認する。
資料を整理する。
毎月、同じような仕事を繰り返すこともあります。
「こんなことを続けていて、成長しているのだろうか」と感じることもあるかもしれません。
でも、その一つひとつが経験になっています。
最初は時間がかかっていた仕事が、少し早くできるようになる。
以前は分からなかった数字の意味が、少しずつ分かるようになる。
去年の決算で苦労したことを、今年は早めに準備できるようになる。
こうした小さな変化は、毎日の仕事を続けているからこそ生まれます。
コツコツ積み上げてきた時間は、目に見えにくいけれど、確実に自分の中に残っています。
④ 分からないことから逃げずに向き合う
経理をしていると、分からないことが必ず出てきます。
税務のこと、会計処理のこと、システムのこと、社内ルールのこと。
経験が長くなっても、初めて出会うケースはあります。
大切なのは、「分からないことがある」ことではありません。
分からないことに、どう向き合うか。
まず自分で調べてみる。
過去の処理を確認してみる。
資料を読み直してみる。
それでも分からなければ、詳しい人に聞いてみる。
そして、教えてもらったことを次に生かす。
こうした積み重ねが、自分の中に少しずつ残っていきます。
経理の仕事では、分からないことをゼロにすることは難しいものです。
だからこそ、「分からないことが出てきても、向き合えばなんとかできる」という感覚を持てることが、大きな自信になります。
⑤ 失敗やヒヤッとした経験も、後から力になる
経理の仕事では、できれば失敗したくありません。
数字を間違えたり、処理を忘れたり、確認が足りなかったり。
「しまった」と思う瞬間もあります。
もちろん、同じミスを繰り返さないための仕組みを作ることは大切です。
でも、失敗した経験そのものを、必要以上に否定する必要はありません。
一度間違えたからこそ、
「ここは確認が必要だ」
「このタイミングでチェックしておこう」
「この数字が動いたときは、ここも確認しよう」
と気づけるようになることがあります。
ヒヤッとした経験も同じです。
一度経験したことで、次から早く気づけるようになることがあります。
失敗しないことが、自信になるのではありません。
失敗した経験から学び、次に同じことを起こさないようにできることが、自分の力になっていきます。
⑥ 「自分で考えて解決した経験」を増やす
経理として自信をつけるためには、できるだけ「自分で考えて解決した」という経験を増やしていくことも大切です。
もちろん、何でも一人で抱え込む必要はありません。
分からないことを相談することも、経理にとって大切な仕事の一つです。
ただ、最初から答えを聞くのではなく、
「自分はこう考えています」
「ここまでは確認しました」
「この2つの処理のどちらかだと思うのですが、どうでしょうか」
というところまで考えてみる。
そうすると、一つの仕事が単なる「作業」ではなく、自分で考えて解決した経験になります。
この経験が増えてくると、初めて見る問題に対しても、以前ほど怖くなくなってきます。
「前にも似たようなことがあった」
「まず、ここを確認してみよう」
という考え方ができるようになるからです。
⑦ 他の人と比べるより、「以前の自分」と比べてみる
経理の仕事では、自分より知識が豊富な人を見る機会がたくさんあります。
税務に詳しい人。
Excelが得意な人。
決算をテキパキ進められる人。
質問されてもすぐに答えられる人。
そういう人を見ると、「自分はまだまだだ」と感じることがあります。
でも、経験年数も担当してきた仕事も違う人と比べても、なかなか自信は持てません。
それよりも、少し前の自分と比べてみる。
「以前より仕訳が分かるようになった」
「前回より決算を早く進められた」
「前は人に聞いていたことを、自分で調べられるようになった」
「以前なら見逃していた数字の違和感に気づけた」
こうした変化に気づくことも大切です。
自信は、他の人より優れていることから生まれるとは限りません。
「以前の自分より、少しできるようになった」という実感も、自信になります。
⑧ 経理としての自信は、後からついてくる
経理として働き始めたばかりの頃は、分からないことが多くて当然です。
そして、何年経験しても、初めて出会う問題はなくなりません。
だから、「すべて分かるようになったら自信を持とう」と考えていると、なかなか自信を持てないかもしれません。
むしろ、
分からないことに向き合う。
一つずつ調べる。
失敗したら、次に生かす。
できるようになったことを積み重ねる。
そうやって仕事を続けているうちに、後から少しずつ自信がついてきます。
ある日、以前なら不安だった仕事をしている自分に気づいて、
「そういえば、これくらいなら自分でできるようになったな」
と思う。
自信というのは、そういうところから生まれるのかもしれません。
経理として自信をつけるために、大切にしたいこと
ここまでの話をまとめると、経理としての自信をつけていくうえで大切なのは、次のようなことです。
- 毎日の仕事をコツコツ積み上げる
- 分からないことから逃げずに向き合う
- 自分で調べて、考えてみる
- 必要なときは人に相談する
- 失敗した経験を次に生かす
- ヒヤッとした経験を、確認方法の改善につなげる
- 自分で考えて解決した経験を増やす
- 他人ではなく、以前の自分と比べてみる
どれも、特別な方法ではありません。
むしろ、毎日の仕事の中でできることばかりです。
だからこそ、少しずつ続けていくことに意味があります。
まとめ|経理としての自信は、経験の積み重ねから生まれる
経理としての自信は、「自分は何でも知っている」と思えることではありません。
毎日の仕事をコツコツ積み上げてきた時間。
分からないことから逃げずに向き合ってきた時間。
数字が合わずに悩んだ経験。
失敗して、ヒヤッとした経験。
大変な仕事に向き合って、なんとか終わらせた経験。
そうした一つひとつが、少しずつ自分の中に積み重なっていきます。
そして、あるときふと、以前なら不安だったことに対して、
「まず、ここを確認してみよう」
と考えられるようになる。
それは、知識が増えただけではなく、これまでの経験が自分の中に蓄積されているということなのだと思います。
経理としての自信は、最初から持っているものではありません。
仕事に向き合ってきた時間の中で、少しずつつくられていくものです。
もし今、「自分は経理として自信がない」と感じているなら、まだ自信がないのではなく、自信が育っている途中なのかもしれません。
今日までコツコツやってきたこと、分からないことから逃げずに向き合ってきたこと、そして失敗から学んできたこと。
その積み重ねは、決して無駄ではありません。
経理としての自信は、経験の積み重ねの先に、少しずつついてくるものなのだと思います。


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