連結会計を学び始めると、
「親会社説」
という言葉を目にすることがあります。
一方で、
「経済的単一体説」
という言葉も登場し、「結局どちらが正しいの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実は、この2つは対立する考え方ではなく、
「連結財務諳表を、誰の立場で見るのか」
という視点の違いを表しています。
今回は、親会社説の考え方と、現在の連結会計との関係をわかりやすく解説します。
親会社説とは?
親会社説とは、
「親会社の株主の立場から企業グループを見る」という考え方です。
親会社の株主が知りたいのは、親会社だけの財務状況ではありません。
親会社が支配している子会社も含めた、
企業グループ全体の状況
を知りたいと考えます。
そのため、連結財務諸表は
「親会社の株主の視点」
で作成されるという考え方です。

なぜ親会社説という考え方が生まれたの?
親会社は子会社を支配しています。
もし親会社だけの財務諸表しか見られなければ、
企業グループ全体の経営状況を正しく把握することはできません。
そこで、
親会社と子会社を一つの企業グループとしてまとめて表示しよう
という考え方が生まれました。
これが親会社説の基本です。
経済的単一体説との違い
もう一つの代表的な考え方が、
経済的単一体説
です。
こちらは、
企業グループ全体を一つの経済主体として考える
という考え方です。
そのため、
非支配株主も企業グループの持分保有者として考えます。
一方、親会社説では、
連結財務諸表は親会社株主のための財務諸表という考え方が中心になります。

現在の連結会計ではどう考えられているの?
現在の日本の連結会計は、
親会社説だけを採用しているわけではありません。
例えば、
- 非支配株主持分を純資産に表示する
- 非支配株主に帰属する当期純利益を表示する
といった取り扱いには、
経済的単一体説
の考え方が取り入れられています。
つまり現在の連結会計は、
親会社説を基本としながら、経済的単一体説の考え方も取り入れたもの
と考えることができます。

この考え方を知ると理解しやすくなること
親会社説を理解すると、
- 非支配株主持分
- 非支配株主に帰属する当期純利益
- 連結貸借対照表
- 連結損益計算書
といった連結会計の考え方が、自然につながって理解できるようになります。
どれも、
「誰の立場から企業グループを見るのか」
という視点が共通しているからです。
覚えるより、考えてみよう
親会社説という言葉だけを覚えても、時間がたつと忘れてしまいます。
大切なのは、
「連結財務諸表は、誰のために作られているのだろう?」
という視点で考えることです。
そうすると、「親会社説」という考え方が自然と理解できるようになります。
連結会計には難しい専門用語がたくさん登場しますが、その背景にある考え方を知ることで、一つひとつの意味がつながって見えてきます。
まとめ
親会社説とは、
「親会社の株主の立場から企業グループを見る」という考え方です。
一方、現在の連結会計では、企業グループ全体を一つの経済主体として捉える経済的単一体説の考え方も取り入れられています。
つまり現在の連結会計は、
親会社説と経済的単一体説、それぞれの長所を活かした考え方
といえるでしょう。
大切なのは、「親会社説」という言葉を覚えることではありません。
「連結財務諳表は、誰にとって役立つ情報を提供するために作られているのか?」
という視点を持つことです。
その視点があると、非支配株主持分や連結財務諸表の構成など、連結会計のさまざまな論点も理解しやすくなります。
会計は、覚えるものではなく、考えるもの。
親会社説も、一つの用語としてではなく、「なぜそのような考え方があるのか」を理解する入口として学んでいきましょう。


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